イスラ-ムにおいて死は最後の日ではなく一時的な別れであって、死者はアッラーの審判の日に再び蘇ると信じられています。そのため、イスラムでは埋葬は全て土葬で行われます。死の確定後に遺体を清掃した後、告別式が行われますが、この告別式ではサラート・ル・ジャナーザ(告別の礼拝)と呼ばれる特別な礼拝をあげます。
サラート・ル・ジャナーザの際、遺体は決められた位置に安置します。遺体が男性であるか女性であるか、また男児であるか女児であるかによって遺体の安置される場所も異なるだけではなく、イマームの立つ位置も異なります。また、墓石の形はそれぞれの地域によって様々ですが、墓は全て聖地メッカの方向を向いており、遺体の頭もメッカに向くように埋葬されます。
日本においては、イスラーム霊園は数少なく、増え続ける日本在住ムスリムの人口からみれば、墓地の不足は明らかです。現在、山梨県と北海道にイスラーム霊園がありますが、全国に広く在住しているムスリムにとって、限られた地域にしか霊園がないというは非常に残念な状況といわざるをえません。
また、日本での埋葬のほかに、外国出身のムスリムの場合、遺体を母国への搬送することもあります。
日本で埋葬の場合、日本ムスリム協会または日本イスラム文化センターで埋葬の手続き等について問い合わせることができます。