礼拝の意義
礼拝は、イスラームにおけるもっとも大事な信仰行為のひとつで、男性であれ女性であれ、全ての成人に達したムスリムにとって義務となっています。
聖クルアーンの中には、信徒たちに礼拝をきちんとするよう、指示する句がたくさんあります。
「礼拝をきちんと守りなさい。特に中間の礼拝(アスルの礼拝)を」
「まこと礼拝は、信徒たちに時を定めて命じられた」
ハディース(預言者言行録)によれば、預言者ムハンマド様は、次のように弟子たちに尋ねました。
「汝らの誰であれ、家の前に川があって、もし毎日五回水浴をしているとすれば、その身体が汚れているということはあるであろうか。」弟子たちが答えました――「いいえ、そのような人の身体には、何の汚れもありません」。預言者様はおっしゃいました――「そのようなものが日に五回の礼拝であって、それによって、アッラーが過ちを洗い流してくださるのです」
他のハディースでは、次のように言われています。
「信徒と不信仰者を分かつのは、礼拝をするか否かである」
「審判の日に、人間が最初に尋ねられるのは、礼拝のことである」
礼拝の準備
礼拝をしようと思うときは、次のことを守らなければなりません。
①第一の条件は、清潔さです。身体と衣服、そして礼拝をする場所を清潔にしなければなりません。
②二番目は、アウラ(人に見せない肌)の部分を、衣服で覆わなくてはなりません。男性の場合でも、肩は隠れていなければならず、女性の場合は、手と顔(学派によっては、更にくるぶしから足先)を除いて、全身に衣服を着けることが求められます。
③三番目は、礼拝の時間がはじまってから礼拝をすることです。礼拝は、定刻が来る前に行なっても有効になりません。
④聖地マッカにあるカアバ神殿の方向を向くことが、礼拝が有効になるための、四番目の条件です。
礼拝には、集団礼拝(他の人と一緒に行なう礼拝は、一人ひとりが別々に行なう礼拝の27倍も優れている)や、任意の礼拝、金曜礼拝、お祭り(イード)の礼拝などがあります。
*礼拝の仕方や決まりについては、礼拝ガイドに詳しく紹介されています。
イスラーム文化センター発刊「礼拝ガイド」から抜粋・参照