金融のはなし

ムスリムが日常生活をする中で重視しているイスラーム法は、「人のあるべき生き方を示す道」という意味の「シャリア」と呼ばれていますが、中には、金融に関する決まりがあり、ムスリムの金利の受け払いや反道徳的な事業への投融資の禁止をしています。イスラーム法に則った金融取引・サービスの総称のことをイスラム金融といいます。

イスラム金融の特徴は主に2つで説明できます。1つは、「金利の概念がない」という点です。イスラームの教義では、「利子(リバー)」を受け取ってはならないと定めています。

2つめの特徴は、「金融取引の関連する事業につき、シャリアに反するものは排除される」ということです。イスラームで禁止されている「豚肉やアルコールの摂取」「賭博」「武器」「ポルノ」「喫煙」などに関連した事業との取引(融資など)は禁止されます。

イスラム金融は、多国籍金融機関はもちろん、日本の金融市場でも注目され始めています。現在、イスラム金融が拡大する背景には、政治や経済、社会の構造変化の影響だけでなく、経済的合理性、非排他性、また社会的投資責任(SRI)などイスラム金融自体が持つ利点にイスラム世界のみならず、世界が着目し始めたといわれています。

日常生活の中では、利子払いの生じる買い物を避けたり、住宅を購入するためのローンを組まずに、賃貸住宅で暮らすことを選ぶムスリムがすくなくありません。また、国によっては、利子の返済などに関わらずに住宅の購入などが可能なイスラム銀行(Islamic Bank)のサービスを活用するムスリムもいます。

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